toraの日記

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ロードバイクの防犯

日本でロードバイクが盗難されたと騒いでいる人をたまにネットで見かけるが、防犯意識が低いだけじゃないだろうか?そういう人はおおかたノーロックまたはチェーンロックでどこかに自転車を止めているだけだろう。はっきり言うが、そんなのは意味が無い。 地球ロック(?)と呼ばれるロック方法がある。これは、チェーンロックを前後ホイールに通してホイールをロックし、別のロックで自転車本体をどこかにロックするという方法らしい。意味が無い。ここで使われるロックは全てチェーンロックまたはワイヤーロック。チェーンですら小さい工具で簡単に切れるのに、ワイヤーなんてニッパー1つで切れるのではないだろうか。 人はそもそもなぜ他人のものを盗まないのだろうか。それは、盗むことにリスクがあると考えるからだ。人は楽ができるなら楽をするから、盗む行為に何のしっぺ返しがなければ盗む生き物だ。このリーズニングが成立しない場合、私達が法律の中で生きている現状が説明できない。 つまり、盗むことにリスクがなければ盗まれるのだ。だから、人が通らない道や駐車場にロックもせずに高価なロードバイクを止めるのは論外だ。さらにいえば、ロックがあっても小さい工具で簡単に切断ができるロックを使った駐車も論外だ。なぜなら、盗人が小さい工具でロックを切断ができると思ったら盗む行為にリスクがないと感じ、実際にそう行動されるからだ。小さい工具というのはひと目につきにくいし、そういう道具で切断できるロックは切断にかかる手間が少ない。つまりロードバイクを盗む成果の方がその行為に対するリスクよりも圧倒的に高いのである。合理的な盗人なら自分が得する通りに行動する。 興味深いのは、私と盗人は合理性という点で違いがないということだ。ある意味友達になれる気がする。 防犯対策に必要なのは、盗人がロードバイクを盗むことにリスクを感じる状況を作ることだ。例えば人が大勢いるところに止める。見てくれからして切断に時間がかかりそうなロックを使う。見たこともないロックを使う(後述)。これらの要素をいくつか重ねることで、盗人が盗むのに時間がかかるかもしれない、盗む前に見つかるかもしれない、という印象を持てばこちらの勝ちだ。だが、いくら防犯を重ねても、プロには盗まれる。彼らはいくら太いロックでも切断する機材や方法を持っているからだ。とりあえず私達ができるのは、そういった機材を使えない状況を作ることだけだ。 ロックは以下のようなU字のものを使おう。 Kryptonite-New-York-Fahgettaboudit-Mini-Lock.jpg U字ロックは太ければ太いほど良い。なぜなら盗人が切断するのに時間がかかるかもしれないと思うからだ。だが彼らが本気になれば切断はできることは忘れてはいけない。また、U字ロックは短ければ短いほど良い。なぜなら、長いと切断する箇所を相手が選べるからだ。短ければ切断する際フレームに傷を入れたら価値が下がりそうだ、などと思わせることができる。ちなみに私はKryptoniteの写真よりも長くて細めのU字ロックを使っている。できれば写真のものに買い換えたい。私の学校には登録した人しか入れないロック付きの停車スペースがあるから、そこで使うなら今持っているロックで十分だろう。それでもワイヤーやチェーンロックは使いたくない。盗難されてから取り戻すことができるとしても、一定期間ロードを使えないことは私にとってリスクだからだ。 私はホイールに地球ロックをしない代わりにPinheadのロックを使っている。 8566_00_d.jpg 地球ロックをしてもチェーンやワイヤーロックだと相手はどうやれば切れるか知っている、彼らは知っている以上に経験から理解している。Pinheadを自転車に導入する人は少数であるから、彼らはこのタイプのロックを外す方法を知っていたとしても理解していないと予想できる。初めてこのタイプのロックを外す、これは彼らにとってリスクだ。知っていること(knowledge by description)と分かっていること(knowledge by aquintance)は違う。自転車にはじめて乗るとき乗り方は頭の中にあってもどうすれば実際に乗れるかは分からないのと同じだ。 Pinheadのロックは前後ホイール、ヘッドセット、シートポストで合計4箇所に導入できるのだが、私はホイールの分しか買わなかった。なぜなら、ヘッドセットは外せなかったとしてもステムとハンドルバーはアレンキーで外せるからだ。シートポストとサドルに関しては、導入するほどの高いものを使っていないので導入していない。というか、ホイールのPinheadロックに関しては重量と空力の観点でおそらくクイックリリースよりも優れている。かなりおすすめする。 自分の環境が良かったから盗まれなかった、これは自立(self-reliant)ではない。社会とは、それぞれの人がミューチュアルに協力すること(mutually depend)で成立するものだ。基本的に他人に頼らないのはあたりまえ。ロングライドに出かけて替えのチューブを持っていないなどというのはお話になっていない。だが、予想外のことは起こる。例えば1回のロングライドで3回パンクするなど。こういった場合に限り他人の協力をあてにしてもいいのではないだろうか。