toraの日記

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詭弁のガイドラインにおける問いを分析する

書き終えてから、なんでこんなの書いてるんだろうと思った。 ロードバイク関係がメインになるんじゃないのか!?(苦笑) 詭弁のガイドラインというのがあって、詭弁?をまとめてあるらしいが、ほとんど間違っているというのは前の記事で示した。この記事では詭弁のガイドラインに使われている例の問いを分析してみようと思う。 詭弁のガイドライン: http://d.hatena.ne.jp/keyword/%EB%CC%CA%DB%A4%CE%A5%AC%A5%A4%A5%C9%A5%E9%A5%A4%A5%F3 前の記事: http://circlefinance.blog86.fc2.com/blog-entry-449.html 詭弁のガイドラインでは以下の問いが例として使われている。 例:「犬ははたして哺乳類か」という議論をしている場合 このガイドラインでは、この問における答え あなたが「犬は哺乳類としての条件を満たしている」 に対する反論で否定論者が使う詭弁?をまとめてある。 この導入の仕方にはいくつかの働きが見られる。 主な働きとして、攻撃対象の複数可があげられる。否定論者は、 「犬ははたして哺乳類か」 「犬は哺乳類としての条件を満たしている」 の2つのステイトメントに直面している。 何の否定論者なのかがわからない。攻撃対象が複数であるから、2つのパターンが考えられる。①犬は果たして哺乳類かの問いに対する否定論者。②犬は哺乳類としての条件を満たしているのステイトメントに対する否定論者。 ①「犬ははたして哺乳類か」に対する否定の場合 この場合は問題そのものの構造的な働きに対しての否定である。犬は果たして哺乳類かとは、Yes No問題だから、基本的にはYesかNoでしか答えられない。だからガイドラインの筆者にとっての肯定論者は否定論者にYesかNoで答えることを求めているのだと読める。ただし例外がある。 D.R.Hofstadterいわく、問題にYesかNo以外で答えることが可能な場合がある。答えが、以下の問いに対するものの場合である。 un-ask the question(聞かれていない問題), indicate the question is fundamentally flawed(問題自体に欠陥がある場合), or reject the premise that a dualistic answer can or will be given(二元論的な答えが出せると考えない場合) . wikipediaからでごめん: http://en.wikipedia.org/wiki/Mu_%28negative%29#.22Unasking.22_the_question 今回は2つ目の問題自体に欠陥がある場合が適応される。何が言いたいかというと、詭弁ガイドラインにおいて最初に提起された問題「犬ははたして哺乳類か」には根本的な欠陥があるということだ。この問いには3つの暗黙の了解(presumption)がなされている。①"犬"という単語は肯定論者が想像する犬であるということ。②"哺乳類"という単語が指し示すものも肯定論者が想像する"哺乳類"であるということ。③"哺乳類か"のフレーズは、動物を類に分類することに同意していること。この3つこそ真っ先に議論するべき内容なのに、この詭弁のガイドラインはそれをすっ飛ばして筆者自身に都合がいいような問いを立てているのが分かる。 ②犬は哺乳類としての条件を満たしているに対する否定の場合 否定論者は分類学的な動物の区分けに納得しているということになる。この場合でも先に述べた①"犬"という単語は肯定論者が想像する犬であるということ②"哺乳類"という単語が指し示すものも肯定論者が想像する"哺乳類"であるということ、の2つは問題になる。この場合でも、③Xに哺乳類としての条件が満たされていればXを犬とする、④"哺乳類としての条件"は肯定論者が想像するものとする、という暗黙の了解が生まれる。これら①~④全てを1つ1つ議論していき、どのように結論をだすかを明確にするべきである。 これらの点から、詭弁のガイドラインにおける例の問題提起は肯定論者に圧倒的なアドバンテージを与えている。この点に気が付かないで否定論者を詭弁だと罵るのは気が早すぎじゃないだろうか。