toraの日記

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日本における自転車という文化について

帰国してからというもの、タイヤが磨り減ってパンクガードがむき出しになったり、チェーンの伸び率が0.75を超えたり、カセットのうち1ギアだけチェーンが飛び跳ねたりと、いろいろと交換しないといけない状態まで部品の消耗が進んできた。

日本といえばアマゾン、楽天、カカクコムといったオンラインショッピングが便利。パソコンのパーツなんかはカナダと比べてかなり安く買える。一方で、ロードバイクのパーツは高い。近くのロードバイク専門店に行っても高い、っていうかサービスや品揃えからして悪い。

食べ物もパソコンもだいたいのものは日本の方が安く良い物を手に入れられる。でもなんでロードバイクのパーツとなるとどれも高いのだろうか?日本における自転車という文化について少し考え、理解しておきたい。ロードバイクに関する物がどれも高いのには、規格と体型の2つの点を注意を払うべきだ。

自転車といってもいろいろある。ロードバイクからTTバイク、MTBにシティサイクルなどさまざま。日本でもカナダでもシティサイクルがやはりチャリ乗りの多くを占めるんじゃないかと思う。ここで気をつけないといけないのは、シティサイクルといってもチャリの物がそれぞれの国で違うということ。

カナダ、少なくとも自分のいたモントリオールやオタワではシティサイクル=ハイブリッド(クロス)バイクという構図であった。つまり、彼らは実際のところ700Cのホイールをつけたチャリをシティサイクルと呼ぶのだ。もちろん中にはMTBや小径車もあるが。

一方で日本でいうシティサイクルとはママチャリのこと。ママチャリは26インチのホイールが使われているようで、だいたい29インチと同じサイズになる700Cと比べてかなり小さい。

これは流通の問題で、700Cのホイールを使う人が多ければ、700Cという規格で使うことのできる部品が多く出回る。需要と供給の市場原理を想像すればわかりやすい。700C規格の需要量が多ければ、700C規格の供給量も増える。だからカナダでは700C規格の部品が楽に手に入る。ロードバイクは全て700C。つまりシティサイクル利用者から生まれる需要からロード乗りは甘い汁を吸えているとも言える。

一方で26インチママチャリが主流となると、流通するのは26インチ規格の部品となる。この状態では700Cのロード乗りは部品を楽に手に入れることができない。

ではなぜママチャリは26インチなのだろうか?自分の仮説は、日本人というかアジア人の体型にある。ロードバイクにも実は650Cという700Cより小さいホイール規格がある。650Cはほぼ絶滅しているけどあえて使う人はいる。っていうのも700Cというホイール経は、身長の低い人には大きすぎるからだ。

これは自転車のフレーム設計の問題。フレームジオメトリというのを見てみるとわかりやすいけど、小さいサイズのフレームは設計にかなり無理がある。ホイール経がかえられないから、いろんなところのクリアランス(隙間)の問題が生まれてしまう。わかりやすいところでいえば、ペダルにのせている足がフロントホイールにあたってしまったり。リアホイールをフレームに収める為にシート角(シートチューブの角度)がかなり急になってしまったりしてしまう。こういったフレーム設計の問題から、身長の低い人はどうしてもサドルをめいいっぱい前に出す前乗りというフォームになってしまいがち。ロードバイクというスポーツにおいてこのフレーム設計により生まれるフォームの問題はかなり深刻で、正直どうしようもないと思う。(ただ、そういうフォームはそういうフォームの利点がある)

こういったフレーム設計から生まれる問題に対しては、ホイール経を小さくしてしまうというのが無理のない解決策なのだ。だから700Cではなく650Cを。29インチではなく26インチを、となる。この視点からすると、身長が低いのに(170cm以下)700Cの自転車にのるほうがおかしいのである。

さて、日本における自転車という文化はこのように複雑なわけだけど、自分はどうすればいいか。答えは簡単。国内でパーツを買わずに海外から個人輸入すればいい。これによる問題は通貨が違うこととか送料や届くまでに時間がかかるとかってのになるけど、為替で有利なレートを使うためにクレカを作ったり、パーツの予備を常に持つようにしたりっていう対応をすればいいだけかな。送料についてはwiggleとかchainreactionは日本に向けても無料だし、この2サイトはポンド建て支払いができるから、今めっちゃ高いUSDを通さないマシなレートで取引ができるのである。