toraの日記

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Orbea Orca Bronze カーボンファイバーの編み方における考察

以前に新車購入の際にこまったカーボンファイバーの編み方についての記事を書いた。 今回は私が購入したオルベアオルカブロンズフレームのカーボンファイバーの編み方について書こうと思う。 購入する前にオルベア公式のメールアドレスにどういったカーボンファイバーを使っているのかと質問を送った。 その返事をそのまま引用する。

We work the structure all with UD prepreg, fibers provided by Toray /Mitsubishi/Toho suppliers. Depending on the Orca model we combine in different % 2 or 3 fiber types, with FAW 110 average and always epoxy resin; Regarding fiber types the most common used are the next references: IM600 Toho HS40 from Mitsubisshi TR50S from Toho T700S from Toray Sincerely,

とのこと。 詳しいことは正直わからないが、この文面から読み取れるのは: ①オルベアオルカすべてのフレームはユニダイレクショナル(UD)で編まれていること。 ②オルカにはブロンズ、シルバー、ゴールドと3つのグレードがあるが、違いは使われているカーボン繊維の配合率であること。 ③カーボン繊維の主な配合は以下の会社から提供されている特定の繊維を2-3種類使っていること IM600 Toho HS40 from Mitsubisshi TR50S from Toho T700S from Toray 私はカーボン繊維に詳しいわけではないので推測なのだが、おそらくIM600, HS40, TR50S, T700Sはカーボン繊維の名前だろう。 fromの後に続くのは会社名。 こうしてみると、ほとんどのカーボン繊維は日本の会社から提供されていることがわかる。 やっぱりすごいな日本。 カーボンフレームは国内より海外のメーカーの方が有名だけど、カーボン繊維はどれも日本の会社からの提供だ。 市場を裏から牛耳っている感がある。 この中で一番なじみがあるのが東レのT700Sだろう。 CRCで注文したが受け取りを拒否したVitus Vitesseフレームが確かT700だった。 オルベアオルカブロンズもT700をメインに作られていると仮定した場合、オルベアはブロンズをインターミディエイトモデュラス(ハイとローの中間)として売り出しているのに対し、Vitusハイモデュラスとして売り出している。 オルベアの方がなんか安心感があるぞ・・。 ところで、オルカのグレードによって2-3種類の繊維による配合を変えていると書かれているが、主な繊維として紹介されたのは4種類。 ということは以下のどれかが該当するのではないか。 ①全グレードのフレームに使われる主な繊維が1種類の場合、オルカのグレードによる違いは必要箇所により強い繊維を使っているかどうかの違い。 または、②フレームに使われる主な繊維がグレードによって違う場合、それはよくつかわれるT700Sとそれ以外であること。 ①である場合、全グレードに共通して使われているのはT700Sなのではないかと考えている。 ②である場合、ブロンズにT700Sを使い、シルバーかゴールドまたは両方はそれ以外を主な繊維としているのではないかと考えている。 とりあえず今のところ確かなのはオルカブロンズはよりハイグレードなシルバーとゴールドに対して以下の特徴があるということ。 ①ブロンズのシートチューブのみエアロではないこと。 ②ブロンズのシートステイのみが太めであること。 ③ブロンズ、シルバー、ゴールドすべてのグレードにおいてUDが使われていること。 ④ブロンズ、シルバー、ゴールドすべてのグレードにおいてジオメトリが同じということ (ブロンズだけトップチューブが数ミリ短かったかもしれない) ⑤ブロンズに使われているカーボン繊維はシルバーとゴールドに使われているものと一部共通していること。 (主な繊維が4種類だけで最低2種類を使うと書かれていることから) ここからは推測 ⑥ブロンズの主な繊維はT700S T700を使っているVitus Vitesseの値段と比較したらブロンズもT700なのではないかと考えた。 また、市場に出ているカーボンフレームはほとんどT700であることから、ブロンズもそうなのではないかと考えた。 ⑦ブロンズには2種類のカーボン繊維が使われている ブロンズのみがシルバーやゴールドよりも安く、エアロシートチューブと細いシートステイというシルバーとゴールドに共通している特徴を持たない。 そしてブロンズは上位オルカの廉価版として売られていることから、より少ない種類のカーボン繊維が使われているのではないかと考えた。 メールでは2-3種類の繊維を使っていると書かれているから、使われる繊維の最低数は2種類であることがわかる。 ⑧ブロンズフレームはT700SをメインとしIM600かHS40かTR50Sの何れか1種類で必要箇所を強化している とりあえずT700Sがブロンズの主要繊維であると考えてみる。 2種類の繊維を使い分ける理由を考えると、①T700Sと編み合わせて使うか、②T700Sより強い強度が必要とされる箇所に使うかぐらいしか考えられない。 ロードバイクのフレームはたとえばBB周りといった、特に強度が必要とされる箇所が存在する。 となると①はない。②の方がありえる。 こうして考えてみると、ブロンズフレームは私にぴったりかもと思う。 最低グレードでも必要箇所にはそれなりに強度を追加されているっぽいし、限界効用逓減の法則を考えるとブロンズ以降の逓減率が高いように思える。 まあ、それをいっちゃアルミからカーボンフレームにかわるポイントですでに逓減率が高いように思えるが。